先日、仕事終わりに散歩していたら、「目の前の景色と過去の記憶が何度も重なる」ということがあった。
それが面白かったので、そのときに浮かんできたことを自分のために残しておく。

学生時代〜社会人になりたてのころ
まず、いちばん懐かしい記憶だと…学生時代の通学路と同じ匂いがした!
あんまりいい匂いとは言えない。青々とした、草!って感じ。笑
歩いていたのが河川敷だったせいかもしれない。
(植物がよく育つ季節になってきたんだなあ)
そこからさらに記憶が呼び起こされていく。

電車通学していた高校時代。
日が短くなってくると、母が懐中電灯を持って自宅の最寄り駅まで迎えにきてくれた。
(実家の近くは田畑ばかりで街灯がなく、遅くなると真っ暗になってしまうため)
だいたい、駅〜自宅の中間地点で落ち合うことが多かった。
そのときの空の色と、今見ている空も似ているなー…って。
そして、今度は社会人になってからの自分を思い出す。

川の向こうに、ある有名企業の大きなビルが見える。
どのフロアも煌々と明かりがついているので、まだまだ多くの人が残業しているのだろう。
「あんな大きなビルで働いてみたい」って、以前は思っていたな。
自社製品を売ってみたかったなー、なんて。
(実は一度も自社製品を扱ったことがない)
そんなことをぼんやり考えながら歩いていたら、また別の記憶がよみがえってきた。

学習塾時代と今の私
散歩していた18:00ごろは、学習塾で働いていたときにいちばん活動していた時間でもある。
(塾の仕事が始まるのは午後からなのだ)
当時は、帰宅途中の人たちとすれ違いながら、資料を届けに行ったり、住宅街を歩き回ってポスティングしたりしていた。
マンションの管理人さんに「もう来るな!」って怒られても、職場に戻ると「明日も行ってこい!」と言われて、もはや連日怒られに行っていた。笑
どうすれば見つからずに入り口を突破できるか、必死で考えていたな。
駅前でチラシを配ったこともあった。ほとんど見向きもされなかったけれど。

仕事は辛かったけれど毎日耐えていた。
「大人ってそういうもんでしょ?」
「これくらいできて当然でしょ?」
「他にできることないんだから甘えんなよ」
全部、私が私に言っていたことだ。
自分に鞭を打ってばかりだった「そのとき」と全く同じ景色が目の前にあった。
帰宅途中の人々、住宅街、賑わうスーパー、どこかの家の夕飯の匂い…
全てが重なっていて、本当にタイムスリップしたかのようだった。

社会人歴もそれなり。
いろんな場所で仕事してきたけれど、今でも思い出す感覚がある。
高層ビルが立ち並ぶ街で働いていたとき。用事があって外出し、職場に戻る途中のことだった。
交差点で空を見上げて「私はこの生き方を変えられるのか?」と思った、そのときの感覚。
「この生き方を変えられるのか?」
そう思ったはいいが、できる気はしなかった。
変わりたい。でも、それはきっと難しいことなんだ…と。
悲しかったが「せめて何か自分が喜ぶことを」と思い、メロンパンをひとつ買って帰った。

とにかく「人」が羨ましかった。自分と全く関わりのない人たちが。
高級マンションが建ち並ぶエリアだったから、
「どれだけ稼げばこんな家に住めるんだろう」
「どんな仕事をすればあんな生活ができるんだろう」
そんなことを考えるたびに、
ああ、やっぱり超大手にでも入らないとダメだったか。
いい大学に行けていたら違ったかもしれない。
高校時代にもっと勉強を頑張っていれば。

そして、
だから音楽なんかやらなきゃよかったんだ。
何の役にも立たないんだから。
全力で努力してチャンスを掴み、多くの時間とエネルギーを注いで楽しんでいたことも、なかったことにしようとした。
「全部無駄だったんだ」と。
自分のことを責めてばかりだった。
「こうなってしまったのは仕方ない」
「全部私が悪い」
大人になっても、ずーっとその思考の繰り返し。

そんなこと、もうしないけどね。
自分のたどってきた道の捉え方、変わったなーと思う。
この数年でトップ3に入るくらいの大きな変化だ。
こうして振り返れるのが幸せである。
考えようとしなくても、勝手に記憶がよみがえってきてしまうのだが(内なる対話が本当に多いから)。

「大人ってそういうもんでしょ?」
「これくらいできて当然でしょ?」
「他にできることないんだから甘えんなよ」
今の自分には絶対言えない。