先日、浅草のフルーツパーラーでさくらんぼパフェを食べてきた。
順番待ちをしているときに、お店の隣に小劇場があることに気づき、吸い寄せられるように目の前まで…
「浅草九劇」
ちょうど昼公演が始まる直前だったようだ。
私が入り口前でチラシを眺めている間も、続々とお客さんが2階の劇場へ上がっていった。

「そうか、今は舞台裏も開演準備中なんだな…」なんて考えていたら、思い出してしまった。
大学時代、自分がお芝居をしていたときのことを。
演劇活動で味わったもの
大学内の劇団だったので、プロではない。
お金をいただく公演も基本的にしない(年1くらいはあった)。
それでも蘇ってくる、大好きだった小劇場(スタジオ)の「あの感じ」!
といっても、本人以外には全然伝わらないだろうけれど…笑

舞台装置を組み立てているときの釘を打つ音、
ペンキの匂い、
あちこちから聞こえてくるみんなの声、
公演直前の客席のザワザワする感じ、
舞台が暗転して「これから始まるんだ!」というゾクゾクする感覚。
(私はワクワクよりゾクゾクなのだ。笑)
外部の劇団(プロも含む)の公演も観に行っていたので、演者としてだけでなく、観客として感じていたことも思い出す。

小劇場の好きなところは「演者と観客の距離の近さ」だ。
演者としては、舞台から観客全員の顔が見えるのが好きだったなー。
「あ、今笑ってくれているな」「楽しそうにしてくれているな」と分かるのが嬉しかった。
(想定外の反応があっても、それはそれで面白い)
観客として好きなのは、演者の息遣いまで分かること!
近いからこそ、物語にぐっと引き込まれる(腕をつかんで引き込まれるくらいの感覚がある)。
そうかと思えば、現実(自分)とつくられた世界(舞台)の境目が曖昧に感じたりもして、それも不思議な体験として残っている。

まとめると…
舞台と客席、全部含めた「あの空間」が好きなのだ。
(セミナーやイベントも少人数が好きなのは、小劇場が好きな理由と近いものがあるな…と思う)
自分にしか分からない大切なこと
そういえば、しばらく観劇していなかった。
ここ数年で観てきたのも、ミュージカルなど大きな劇場で上演される作品ばかり。
それが、たまたま小劇場を見つけたことで、鳥肌が立つほど記憶が鮮明に呼び起こされてしまった…
「魂が震える感覚」
あのとき感じていたのはこれだ。
これが欲しかったのだ。
…ということで、久しぶりに観に行くことにした。
目の前は小劇場。
久しぶりに小劇場のお芝居も見たいなあ…
あのライブ感、大好きなんだよなあ…また見に行こうかな…
小劇場の芝居、魂震える感じあるんだよなあ…
パフェを待っている間もノートに書いていた。

では「もう一度芝居をしたいのか?」というと、そういうわけでもない。
自分が何かに熱中していたとき、
今この瞬間が最高!と感じていたときの感覚を、
自分に「もう一度体感させてあげる」。
それに意味があると思ったのだ。
蘇ってきた感覚を「育てる」ために行ってくる。

何をするか、ではない。
(観劇以外の方法でもいいのだ)
どう感じるのか。
何が自分にとって最高なのか。
そのあたりの感覚って、自分に聞いてみる以外に知る術がないのだ。
だから体験してみるのがいちばん早い。
大切なものは自分がちゃんと分かっている。
久しぶりの小劇場、どんな感じだろうか。楽しみである。