遠い昔、小学校高学年か中学生のころ。
母と妹と3人で買い物へ行ったついでに(あの店は「デパート」という表現がたぶん合っている)、近くの喫茶店でケーキを食べた。
曖昧な記憶しか残っていないが……ケーキはとても可愛かった。
お店は白っぽい内装だったような気がする。
誕生日以外の日にケーキを食べたのは、おそらくこのときが初めて。
親と一緒にいるのに、なんだかいけないことをしているような気分だった。
今になって分かる。
「なんでもない日にケーキを食べる」
これがまさにブロックを外す体験だったんだな、と。
嬉しいのにザワザワする。
こんなことしていいのかな。
誕生日はもう過ぎたのに。
父さんは今ごろ働いているのに。
「それでもよかったんだよ」
あのときの感覚が、今でも大切にしていることの「原点」だったのかもしれない。
ふと思い出したので書いてみた。


