私は小学1年生からエレクトーンを習ってきて、大人になった今でもたまに弾いている。
学生時代は、お金をいただくコンサートにも出演したことがあり、今回書きたいのはそこで弾いた曲から繋がる話である。
大昔の話ではあるが、今の私の活動とも関係のある話なので、ぜひ書き残しておきたいと思った。

赤か白か?コンサートのドレス選び
コンサートで演奏したのは「キャンディード序曲」。
「キャンディード」というミュージカルの曲である(吹奏楽部の人は知っているかも)。
当時、私の探せる範囲で全力は尽くしたものの、そのミュージカルに関する情報というのがほとんどなかったのだ。
編曲するにあたって参考音源が必要になり、学校の帰りに毎日のように探し回ったが、オーケストラ版だけがなぜか見つからない。
(なんとかひとつ見つかり、それを毎日聴いていた)
オーケストラのスコアも手に入らず、先生が海外から取り寄せてくれることに。
情報が少なすぎるし、音源もスコアもなかなか入手できない…そんな状態で取り組んだ、あまりにも「得体の知れない」作品であった。

本番が近づいてくると、今度は衣装探しが始まる。
コンサートでは、出演者はみんなドレスを着ることになっていたのだが、初めてなので何をどう選んだらいいのか分からず…当時習っていた先生の知り合いのお店に連れて行ってもらうことに。
そこで最終的に、同じデザインの色違い「赤」と「白」の2色に候補が絞られた。
そのとき私が考えていたことは…
「白は絶対にない」
「この曲は絶対に赤だ」
アップテンポな曲だったし、練習しているときから「この曲(作品)は赤だな」と感じていたのだ。
(情報もないので自分のイメージだけが頼り)
また、白はウエディングドレスのイメージがあったので「ちょっと違うでしょ」とも。

自分なりに「赤を選ぶ理由」も「白を選ばない理由」もあったので、悩むこともなく赤いドレスに決定。
無事に本番のステージを終えたのだった。
ミュージカルの衣装の色に衝撃を受ける
そしてここからは、コンサートから数年後の話になる。
東京の帝国劇場で、「キャンディード」のミュージカルが上演されることになったのだ。
(この記事を読んでいる方の中に、観に行った方はいらっしゃるだろうか…もう15年前の話)
直感で「あ、これは行かなくては」と。
しかも、ちょうど誕生日と公演期間が重なっているという奇跡のような偶然!
自分へのプレゼントのつもりで、誕生日当日の夜公演のチケットを取って観に行った。

そして、公演当日。
開演後、まず自分が弾いていた曲が、ステージからオーケストラの演奏で流れてくる(序曲だから)。
もうこの時点で「来てよかった」と思っているのだが…そのあとだ。
ステージ中央から登場した、井上芳雄さん演じる主人公・キャンディードが、王子様みたいな真っ白な衣装を着ていたのだ。
それを見た瞬間、私は思った。
「ああ、白もありなんだ!!!」って。

本当にびっくりしたのだ、その白い衣装が結構な衝撃で…
もちろん井上さんが素敵だったというのもあるけれど、それ以上に、私は「この曲(作品)には赤しかない」と思っていたから!
コンサートのドレス選びのときのこと、数年経ってもずっと覚えているのだ。
「赤しかない」と思ったこと。
その思い込みが、数年の時を経て打ち砕かれた瞬間だった。
(もうね、白い衣装の衝撃が強すぎてストーリーを覚えていないもん)

コンサートの衣装を選んだとき、白いドレスは試着もしなかった。
「絶対にあり得ない」と決めつけてしまっていたから。
試着もせずに選択肢から除いた。
つまり「白を着てステージに立つ」という可能性をなくした、というわけだ。
それなのに、白い衣装を着ている井上さん(キャンディード)を見てしまったら、白がとっても素敵に見えてきてしまった。

だから自然と「白もいいじゃん!」って思った。
「え!なんで赤じゃないの?」とはならなかったんだよなあ…
そして、気づいたのだ。
「自分で世界を狭めていた」ということに!
ドレス選びの時点では、白である可能性を見ようとしなかっただけで、本当はどちらもありだったのだ。
私の選んだ赤も素敵だったし、白を選んだとしてもきっと素晴らしいものになった。
「ああ、白のキャンディードでも良かったんだな」と、新しい世界を見せてくれた。数年後に観たミュージカルが。
これが私の、記憶にある最古の「思い込みが打ち砕かれた」話である。
マインド講師として今伝えたいこと
この話、繋がりがすごいので「一生語れるな」って思っている。笑
それでも、このような場で発信するかどうかは迷っていた。
マインド講師でもなかった時代の話だし。
でも「伝えたい!」というのが私の中でどんどん強くなっていったので、今回出してみることにした。
今の自分だからこそできる解釈、今だからこそ伝えられることなのかもしれない。

マインド講師の活動をしているなかで、思い込みの話はよく出てくる。
「自分で見えなくしているだけ」ということは、私自身もたくさんあって、そういった思い込みをいくつも手放してきた。
過去の私が、白いドレスを着て演奏する可能性をみずからなくしたように、
「私には難しい」「ふさわしくない」と、みずから可能性を狭めてしまう。
または、否定されるような環境にいることで、「難しいな」と思うことが当たり前になってしまう。
こういったことはよくあるのではないかな、と思う。私自身もずっとそうだったから。
そんな状況を変えていくきっかけとなるような、新しいメニューを準備しているところです。

情報解禁は8/1(金)です。必要な方に届きますように。