私はコミュニケーションに対して苦手意識がある。
それなのに世間では、高いコミュニケーション能力を求められる。
あまりにも漠然とした力で、どうやったら磨けるのか、伸びるのかも分からないのに。
コミュニケーションに関する本も何冊か読んだけれど、どれもしっくりこなくて、もはや内容すら覚えていない。
それでも本書を手に取ったのは、多くのコミュニケーション本に対して感じた「そういうことが知りたいんじゃない!」という気持ちに向き合ってくれるかな、という期待があったからである。
もちろん、ラジオを聴いて「吉田アナの話し方は好きだな」と感じていたことも理由のひとつ。
ここが響いた!
★コミュニケーションの目的はコミュニケーション
コミュニケーションが辛いと感じるのはなぜだろうか。
昨年、心の学びに足を踏み入れたこともあり、自分が「そういうタイプだから」という自覚はある。
でも、それはいちばんの理由ではない。
前提として「コミュニケーション=何かの手段」と捉えているから、どこか違和感を感じてしまうのだ。
偉くなるための手段かもしれない。お金儲けするためなのかもしれない。
そう考えるのは自由だ。
しかし、たくさんお金があっても、人と実のあるコミュニケーションをとることができなかったら……
きっと虚しい人生になってしまうだろう。
人は何かを成し遂げるために頑張るけれど、その行き着く先には必ず「コミュニケーション」があるのだ。
コミュニケーションそのものをより深く楽しむために、コミュニケーションの技術を磨く。
かなり序盤で出てくるテーマだが、今の私にはいちばん響いた。
他にも!ポイントメモ!
・コミュニケーションがうまくとれないと思っている、その悩み自体がコミュニケーションに価値を感じている証拠
・自分がうまくいったと思えたときは、相手もだいたいそう思っている
・コミュニケーションは「ゲーム」、その場にいる全員が見方の協力プレーであり、敵は「気まずさ」
・言葉は自分のものではなく、相手のためにあるもの
・伝えるというのは、なるべく伝わるように演出すること(=伝えようと思わないこと)
・空気を読むとは、その場のムードに自分のテンションを合わせること
・話題は常に相手の側にある
・コミュニケーションの欲求=プラスの気持ちになりたい欲求
・驚き=言葉の新奇性
・人から話を引き出すことができると、聴いているだけでおたがいが楽になっていく
・キャラクターは周囲の予測からはじまって、合意されてはじめて獲得できるもの(自分から設定するものではない)
まとめ
本書では「そもそもコミュニケーションとは何か」というところにいちばんの焦点が置かれている。
そこが自分にとても合っていると感じながら読み進めていた。
「そもそも」の部分が肚落ちしないと先に進めないので、小手先のテクニックを並べ立てられるよりも理解できた感覚がある。
もっと肩の力を抜いて、コミュニケーションを楽しめるようになりそうだ。

末光咲織

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