頭の片隅から記憶が引き出されるとき。

家族が急遽泊まりに来ることになり、東京駅まで迎えに行った。

こちらに着いたのが夕方だったこともあって、夕飯を外で食べてから帰るのはどうか、という話になった。

 

基本的に外食はせず直行直帰、行きつけの店というものがない。

その上、まったく守備範囲外のエリアのため、残念ながらあてはなく。

しかし、向こう曰く「田舎者2人」なので、ここは「(似非)東京人」の私がなんとかするしかない。

さて、どうしようか・・・熟考モードに入りかけたとき、ふと、あるレストランが思い浮かんだ。

 

最寄り駅を出て、自宅とは反対方向に歩いていくと、個人経営のイタリアンレストランがある。

引っ越してきて3か月。ずっと気になっていたのだが、いつ覗いても満席なので(そもそも席が少ない)、なかなか入る機会がなかった。

メニューを見てもよく分からないが、きっと美味しいんだな、ということだけは分かる。

「いつか絶対行こう」と思いつつ、環境が大きく変わったこともあって、すっかり存在を忘れていた。

思い切って行ってみよう。入れるかどうかは分からないけれど・・・

 

今日はツイているようだ。待たずに入ることができた。

ハッシュドビーフのドリア(ハーフサイズ)。うん、美味しい。

食べ物の味って、「美味しいかどうか」以外、正直よく分からない。

頑張って挙げるなら・・・素朴な感じがする。

今まで食べたことのあるドリアの中でも、ホワイトソースの味がひときわ優しいような。

この茶色いパンが、種類はよく分からないがとても好みだった。

 

頭の片隅から記憶が引き出されるとき、何が働いているんだろうか。

今回に限らず、「よくこんな場面でこんなことを思い出せたな」ということがたまにある。

しかも、思いもよらないタイミングで。

ふと目についたものが、過去の記憶と紐づけされるのだろうか。

 

同じように、過去に味わった感情を、もう一度思い出すこともある。

あのとき感じたままだ、と思ったりする。ふわーっと、当時の感覚がよみがえってきて震える。

 

一体どんな現象なのかは分からない。ただ、人間って不思議だな、なんて考えたりしている。

The following two tabs change content below.
末光 咲織

末光 咲織

東京都在住の会社員。文章を書くこと、音楽、演劇、ラジオが好き。周囲から否定される数々の経験が元となり、成長するにつれて感情を思うように表に出せなくなる。自分の人生なのに、自然と「裏方」になろうとしていたことに気づき、2016年の冬、生き方を変えようと決意する。本当はもっと表に出て、自分の思いを表現することで生きていきたい。将来的には、会社員+個人事業主として活動したい・・・と思っている。
末光 咲織

最新記事 by 末光 咲織 (全て見る)